人情相撲
隠岐の人のあたたかさを象徴する文化の一つが、人情相撲です。 隠岐では、神社の屋根を変えたり、空港の工事完了など大きな公共事業が行われた際、 記念に夜を徹した古典相撲が行われます。 相撲といえば、一番勝負(1回の勝負で勝敗がつく)が普通ですが、 隠岐では二番勝負(2回の勝負で勝敗がつく)が行われます。 しかも、一番目の勝負で勝った力士は、二番目の勝負には勝ちを譲り、必ず引き分けにするのです。 この勝ち負けのしこりを残さない相撲のとり方を、「人情相撲」と呼んでいます。 助け合って生活していく島だからこそ、たとえ勝負事であっても人間関係への配慮を忘れない文化が根付いています。 1番勝負 2番勝負 とはいえ、相撲大会は地区ごとの代表者が参加する、地区対抗戦になっており、 勝利することは地区の名誉になるため、皆全力で取り組みます。 勝利した役力士(大関・関脇・小結)には土俵に使われていた柱が与えられ、 地域の人たちが担いだ柱に乗って凱旋します。 さらに、その柱は力士の家の軒先に掲げられ、家を改修する際などに重要な場所の柱として使用されます。 街角の住宅で、家の柱に「相撲〜」などの文字が書かれていたら、勝利した役力士の家ということですので、ドライブの際に探してみてはいかがでしょうか。 柱にのり凱旋